「外なるマーケティング、内なるマーケティング」

ハイパワーマーケティング
 僕は「マーケティング」を、企業や人が物事を「意図した通り」に導くための、「予測行為」と位置付けています。
 これは、そもそも「マーケティングって何のためにあるの?」という本質的な問いかけに出した自身の答えです。物や商品を売るためにする市場調査、製品や販売価格の見直し、流通経路の再構築、販売促進など「マーケティング」にはいろいろ手法があります。ただそれって何のためにするの?となった時に、決して「儲け」のためだけではありません。

 「ハイパワーマーケティング」の中でジェイ・ブラハム氏は、マーケティングにおいて重要な要素の1つとして、「卓越論」を唱えています。「卓越論」とは、いかなる場面でも、クライアントのニーズを自分のニーズより優先することです。
 これは、お客さんの言うがままに従うのではなく、本当に求めていることを見極めて先回りすることと言っています。例えば、「売上を伸ばしたい」と言っている社長がいるとします。けれど、社長の目的は「売上を伸ばす」ことではなく、「売上を伸ばした結果、得られること」にある、と言うような考え方です。
 何のために売上を伸ばしたいのか?自分の給料がもっとほしいのか?社員のためにボーナスを増やしてあげたいのか?社員旅行に行きたいのか?給料がもっとほしいのなら、なぜ給料がもっとほしいのか?などと言う風に本質的なところを深堀りすることが「卓越」したマーケティングと唱えています。

 この卓越論は「外なるマーケティング」を考える時、最も重要なことと僕は思います。ジェイ・ブラハム氏は、「クライアントは自分のかけがえのない大切な友人」として扱うべきと言っています。そうすることにより、顧客の本質的な「望み」が理解でき、最上のサービスを提供し、永続的な信頼関係が構築できると。なるほど。改めてこうして書いていても唸ります。

 そして、そこからさらに、自分なりに深堀りした「内なるマーケティング」として、前述した通り、僕は「マーケティング」を、企業や人が物事を「意図した通り」に導くための、「予測行為」として捉えることにしています。「意図した通り」に物事が進めば、人は誰しも「心地よく」なります。そして、もっとやる気が出ます。
 つまり、僕にとって「マーケティング」とは、儲けや売るためにする手段ではなく、「自身や自分たちTEAMのモチベーションup」として行います。ただ、「意図した通り」に物事が動いたとして、驕らず、天狗にならず、謙虚でいる姿勢は大切です。また、意図した通りにならなかった時、腐らず、諦めず、検証し、そして研鑽する努力も大切です。そうすれば必ず自身やTEAMが導き出した答えが、幸せな結果をもたらすことになります。

 マーケティングという予測行為そのものが、自己肯定する素晴らしい手段になり得、人の心地よさがもたらす「やる気」こそが最高の栄養になり、最上の個性になります。この本にはまだまだたくさん良いことが書かれていますので、ぜひ皆様もご一読下さい。

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